
買い手を安心させる営業トーク
ワンルームマンション投資の営業マンが物件を売る時に、重要視していることがあります。
それは、
「お客さんを不安にさせないこと」
です。
不安を抱えたままで、何千万という買い物はできませんよね。
なので、ワンルームマンション投資の営業マンは、お客さんの不安を軽くする営業トークをたくさん持っています。
こういった営業トークは、あくまでお客さんを『なんとくなく安心』させる為のもので、本当の安心材料ではないことがほとんどです。
なので、騙されてはいけません。
このページでは、
『営業マンがよく使う、お客さんを安心させる為の営業トーク』
を紹介していきますので、この知識を使って自己防衛ができるようにしていきましょう。
東京なら安全・安心です!

「日本全国の中で東京は最も人口流入が多く、景気が良くなっても悪くなっても東京に人が集まります。
地方ならば人口が減ってダメかも知れませんが、東京なら安心・安全です!」
こういった形で営業マンが「東京だから大丈夫!」という話をする場合があります。
しかし、東京だから一概に大丈夫ということはもちろんありません。
東京の中でも良い所と悪い所があります。
山手線の内側でもそうです。
また、エリアごとにも特徴があり、例えば中央区は景気が良い時は需要が高くなるのですが、悪くなると需要が減り家賃を下げざるを得ないという傾向があります。
青山など世間的に憧れがあるエリアでは、家賃も高いが物件価格自体も高く、収益性を考えると見合わない可能性も高くなってきます。
『東京』と一括りにしてしまうと、個別のエリアや物件の良し悪しが見えにくくなってしまいますので、注意が必要です。
東京という場所がワンルームマンション投資に適しているのは間違いではなりませんが、大事なのは個別にその物件の良し悪しを見極めることです。
嫌になったら5年後から売れます

「途中で辞めることはできますか?」
という質問は、営業マンがよく受ける質問のうちの1つです。
一度始めたら引き返せないというのは恐怖なので、そこに不安を感じての質問になります。
この質問に対して、お客さんを安心させる為に用意している営業トークがあります。
それは、
「もし嫌になったら売ればいいんですよ。
5年以内に売ってしまうと税金が多くかかってしまいますが、5年経てば大丈夫です。
それに、”上がります”と言い切れる訳ではなのですが、3年前に他のお客さんが買ったこの物件は今これだけ値上がりしていまして・・・」
と、こういったものです。
嫌になったら売却という選択肢があることを伝え、売却をした場合には利益が出る場合があるということをほのめかす。
これを聞くと安心してしまう人が多いのですが、実際には売却をして得をすることはほとんどありません。
確かに売却益が出るという可能性は否定しませんが、実際にそれが起こるという希望的観測を持つことはおすすめしません。
現実には売却をしてもローンの金額以下でしか売れずに、数百万円の持ち出しが出てしまったり、売るにも時間がかかり簡単に売れないということが多いです。
いざとなったら売れば大丈夫、という訳ではありませんので注意をして下さい。
また、売却をした場合の税金についての詳しい話をしてくれることもほとんどありませんので、その点も注意が必要です。
私が一生面倒見ます!

「私が一生面倒を見ます!」
これは、相手の性格を見ながら営業マンが使うトークの一つです。
人情というか優しさに流されるタイプの人だと営業マンが思ったら、安心させる為にこういったトークをする場合があります。
しかし、これはほぼすべて嘘だと思ってもらって間違いありません。
なぜなら、ワンルームマンション投資業界で長く仕事をする人はほとんどいないからです。
ワンルームマンション投資業界では1年で約6〜7割は辞めます。3年残ればベテランと呼ばれる世界です。
そんな業界の人が、一生面倒を見てくれる訳がありません。
自分が辞めるのがわかっているので、無責任な発言ができるというのが本当の所です。
お金があれば私が買いたい物件です

これも、よくある営業トークで、
「もしお金があったら私も絶対に買いたい思う物件です!」
というものがあります。
「じゃあ、買えばいいじゃん」
と思うかもしれませんが、それを言うと
「いや〜、私は年収が低いですし、融資(ローン)も降りないのでできないんですよ。」
「逆に、〇〇さんは属性が良くて、その属性の良さを資産に変えることができます。これは誰にもできることではないです。だから、やらない手はないですよ!」
という風に返ってきます。
属性が良い(上場企業の会社員や公務員など)と融資が出るというのは間違いではないですが、営業マンとしては、
『自分は買えないから、好き勝手言える』
というのが本当の所です。
それが本当に良い物件だから言っている、ということではありません。
うちの物件は入居率97%です

入居者が本当に付くの?
という不安はほとんどのお客さんが持っています。
そこで出てくるのが、
「うちの会社は入居率○○%です!」
というフレーズです。
※〇〇には、97%とか98%などの数字が入ります。
これを聞くと安心してしまいそうなものですが、この数字にはカラクリがあります。
入居率の計算の仕方は、統一された基準がないので会社が独自に決めることができるのです。
例えば、1年間の内で最も高い日の入居率を使う(例えば、4月1日に100件中97件が入居中であれば97%とする)場合や、退去してから2ヶ月以内であれば空室が出ていなかったものとして計算をする場合もあります。
つまり、良い数字が出るように入居率の定義を勝手に決めて、その勝手な基準を元にして出た数字を使ってよく見せている可能性があるのです。
なので、見せかけの入居率が高くても安心してはいけません。
数字を良く見せようと変な基準を設けている会社はそもそも信用できませんが、それより大事なのはその物件の立地条件がどうなっていて、空室が出にくい物件がどうかです。
入居率〇〇%という数字に惑わされずに、そこを見極める目を持つことが大事になります。
銀行が担保評価を出しているから安心です

「この物件に関しては、銀行が担保評価をしているので安心ですよ。」
ということを営業マンが言う場合があります。
担保評価というのは簡単に言うと、
『銀行がこれくらいの価値があると評価した金額』
のことです。
ただし、この金額は特定の計算方法を元に機械的に算出されるもので、この担保評価額イコール資産価値ではありません。
しかし、営業マンとしてはこの担保評価額を持ち出して、
「銀行がお墨付きを出しているということです」
「もしローンの返済が滞っても、銀行はこれくらいの値段で売れると思っているということなので、それだけの価値が保証されています」
「売却をするにしても、銀行がこれだけ担保評価を出しているので問題なく売れます」
という話をする場合があるのです。
これは正に買い手と売り手の知識のギャップを利用したトークで、これを聞いたお客さんは、
「詳しくはよくわからないけど、銀行がそういう評価を出しているのなら安心だろう」
と思ってしまうものですが、実際にそのようなことはありません。
担保評価というのは銀行が機械的に数字を計算しているだけで、担保評価が出ている=良い物件ということではないのです。
詳しい説明をすると複雑になってしまうので簡単な説明に留めますが、
『銀行から担保評価が出ている=安心できる・銀行がお墨付きを出している』
という訳ではないので気を付けて下さい。